創業160年の老舗豆腐屋がフェイクミートに取り組む!染野屋八代目社長を取材

江戸時代から続く豆腐製造会社「染野屋」(創業1862年)
今回、八代目社長である小野篤人社長に取材をし、先代より160年間続けてきた豆腐事業を続けながら、新たな挑戦としてフェイクミート(ヴィーガン食品)開発に乗り出した経緯などを聞いてみました。

小野氏は自身がもともと大の肉好きだったが、現在はヴィーガン中心の食生活へと変えている。
自身の経緯や、会社としての変革など語っていただきました。

八代目染野屋半次郎 小野篤人社長

<<フェイクミート開発の経緯>>

小野氏は2009年にポールマッカートニーが提唱する『ミートフリーマンデー』を知ったことで地球環境保護に対するイメージが変わり、その頃から食肉が環境に与える影響についての研究を始めたという。また、2009年に娘が生まれた事で、本気で地球の持続可能を考えるようになった。

「当時は地球のために再生エネルギーなどの事業に取り組むことを考えていました。会社を売却してまで環境保護活動に取り組もうと本気で思っていたところ、実は畜産業が地球温暖化に深く関係していることを知りました。畜産業が排出する大量の温室効果ガスは、世界のガソリン車が排出するもの以上と言われています。ならば根本的に食肉を減らすことが温暖化対策として効果が高く、取り組みやすい。本業が豆腐(植物性食品)なので、巡り巡って大豆を中心とした食品開発に至りました。」
と語る小野氏、その頃から自身も肉食からヴィーガンに徐々に移行し始めたという。

また、テクノロジーの発展により社会的問題が解決されることの事例をあげ、食品業界でも同じような貢献ができると説明してくれた。

「例えば、何十年も前からオゾン層破壊が大きな社会問題になっていましたが、最近は解決しつつあります。これは、皆がエアコンや冷蔵庫を使わなくなったのではなく、企業努力とテクノロジーの発展により、家電にフロンガスを使わなくなったことが功を奏したのです。同じく地球温暖化問題もエネルギー分野の発展と、食肉を減らすための技術革新を続けることで解決できると信じています。」

<<開発は苦労の連続だった>>

フェイクミートについては2009年から約8年かけて商品開発を進めてきており、2017年に最初のフェイクミート製品『ソミート』を発売した。
開発を始めた頃は、周りの社員から変わりもの扱いされていたという。

「話を聞けば理論では分かるが、当時はリアリティがないと思われていまして、共鳴してくれる社員はあまりいなかったです。」
と、取り組む中での苦労話も交えてくれた。

自身が色々と調べて研究しつつ、講演活動や社内研修を行ってきたことで、少しずつ社内での理解を得られ、現在では影響を受けてヴィーガンになった社員もいるという。

ヴィーガンへの移行については「いきなり変えるのって難しいと思うんです。自分でも我慢するのは嫌だったんで、少しずつ始めました。食事は10年くらいかけて変えてましたが、基本はヴィーガンという食生活で、たまに乳製品を食べることもありますよ。」と語っている。

現在は海外からのヴィーガン食品の輸入やライセンス事業にも取り組み始めているという。
一番困るのは “代替えがない食品” だという。魚やバターやチーズなどの乳製品などもまだ少ないと感じているとのことで、どう我慢せずにヴィーガン生活を送れるかというところを重要視しているとのことだ。


<<自らの研究で商品を日々進化させる>>

続いて、フェイクミートを開発生産していくにあたって、課題や問題点についても聞いてみた。

“味付けに関してはそんなに難しくないが、食感が一番難しい”と語る小野氏、柔らかさと弾力を安定して出すところが一番難しく、また重要な部分であると感じているという。
“個人的には肉好きだったので、自分で納得できるもの” を基準として商品開発にあたっているということだ。

「現在も食感についてはこだわっていて、商品は日々進化させています。単に美味しいだけじゃなくて、感動させるというところを狙ってます。」と語る。

多くの大豆ミート商品の調理は湯戻しする方式をとっているが、「ソミート」は出来るだけ簡単に調理できるように工夫しており、また “電子レンジを使うと栄養分が破壊される” という理由から、湯煎するだけで食べられるという商品にしているという徹底ぶり。
製品に使う調味料も素材にこだわって、自然のものを使うようにしている。

日本一のヴィーガンYouTuberが美味しいと語った製品

<<日本のフェイクミート事情について>>

「精進料理からの影響はあると思っています。江戸時代は『深い』という感覚がありまして、当時の江戸は世界でも一番経済が発展していた都市だったという研究もあり、その中には環境維持の考え方があったと言われてるんですよ。実は代替肉に当たるものが当時からあって、それが “がんもどき” と言われているんです。いわゆる豆腐ハンバーグの前身みたいなものですね。」
と話している。自身も自然のものが体に良いという考えが根本にあるため、自社の豆腐にも保存料や合成添加物は使わないようにしているとの事だ。江戸時代の頃からの考え方が会社にも根付いているという。

また、日本のヴィーガン市場については次のように話している。

「爆発的に成長する分野だと思います。日本ベジタリアン協会の理事を8年くらいやってきましたが、そこでのデータを見るとここ3年くらい前から少しづつ伸びてきています。アメリカと比べると伸び率は低いですが、日本も特に去年から伸びてきている感覚です。」

以前コペンハーゲンの大学を卒業したデンマークの若者に、その大学でのパーティで「えっ?まだ肉を食べるの?」と言われた事があると聞いたそうだ。
ニューヨークでも一部の若い人々の間では「ステーキはダサい」という感覚の人が出てきているようだ。
分かりやすくいうと、今のタバコの位置付けに近いかもしれない。昔は当たり前だったが、近年では悪者にされている。

「江戸時代はヴィーガンに近い生活だったので、日本でも取り入れられる事は難しくないと思います。延期されましたが、東京オリンピックも大きな機会になると思っています。これは人間のエネルギー革命ですよ」と小野氏は語る。

肉と変わらないものが市場に出れば、皆がそれに移行すると考えており、大きな市場になるとみている。

前述したように、簡単にヴィーガン生活になれるわけではないので、意識改革も必要と考えているとの事、食生活の無理な押し付けによる “ヴィーガン離婚” といった現象も耳にするという。

「大事なのは無理をしないこと、例えばゲームチェンジャーズやカウスピラシー、ワッツザヘルスなどのドキュメンタリーを見ることをお勧めします。この3つを見れば大抵意識は変わると思いますよ」と話してくれた。

<<今後の展望は?>>

最後に将来の展望について聞いてみた。

「製品ラインナップを増やしていきたいというのはもちろんですが、環境活動家としての動きをもっと進めていきたい。それが生きがいになっています。」と語る小野氏、環境活動家として気象変動などにも取り組みたいが、すぐに結果が出るものではないので、続けていく原動力になっているという。
自らの発信に説得力を持たせたいとのことで、エコロジストとヴィーガニズムという立場から、運動によって自分の体の変化などを伝えられるように、自らがその証明として動いている。また食生活を変える事でのメンタルの変化も大きいとの事で、自身も好きな格闘技などをやりながら、ヴィーガンになったことでのエネルギーを証明していきたいと熱く語ってくれた。

ソミートオフィシャルサイト:https://www.someat.net

Soybeans Save the World -大豆は世界を救う-「ベジーの勧め」:https://www.facebook.com/Hanjiro8/

Soybeans Save the World -環境問題カイゼン情報局-:https://www.youtube.com/channel/UCGdoToPx91e1u6zwt_raXMg?view_as=subscriber

 

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