代替タンパクの新しい原料は木材?

2050年までに、世界の人口は90億~110億に達すると予想され、気候変動によってもたらされる人口増加の課題に対処するために、一部の企業は将来のタンパク質へのニーズに対応するソリューションを出している。

過去数年にわたって、ヒヨコマメから空気中で発見された微生物、昆虫まで、すべてが代替タンパク質の新しい原料として発表された。

木材に関してはどうなるのだろうか?

アグリテック成分を開発する企業のArbiom(本社:アメリカ)によると、木材は人間に供給できるタンパク質の原料としての最盛期を迎えてきたという。プレスリリースで最初の製品化商品であるSylProを発表し、品質と風味を損なわないことを前提に、小麦などのようにアレルゲンを起こすリスクもなく、大豆、エンドウ豆、小麦グルテンなどの植物由来の原料を代替できるという概念実証研究を最近完了したということだ。

Arbiom社の技術は、発酵の過程で木材基質を単細胞タンパク質微生物に転換するをことを実現した。これまで、この技術は魚や豚など動物の飼料にのみ使用されていたが、今月のニュースでは初めて、技術をアップグレードして、木材を人間の食物に変換できるるようになったことを示した。

SylProは、生体利用率の高いタンパク質とアミノ酸の供給源であり、β-グルカンなどの機能性繊維や、人間の健康に不可欠なビタミンBも含まれているようだ。 さらに、SylProの吸収率は非常に高く、以前に行ったブタ飼養の実験結果では、総タンパク質消化率が96%に達したことを明らかにした。

SylProのサンプル

Arbiom社は長年にわたって、木材をタンパク質源にすることに取り組んできた。 2011年に初めて木材前処理コンセプトラボを作成し、2017年にはEUから900万ユーロ(約11億円)の助成金を貰いSYLFEEDコンソーシアムを設立した。資金用途はArbiomの技術を中心に、木材から食品へのエコシステムを開発するのに使用される予定だったようだ。

Arbiom がリードするSYLFEEDのパートナー企業

食物を作ることに関しては、木が豊富な供給源になる可能性が高いかもしれないが、しかし、木材消費と森林破壊とのバランスを如何に取るのか、その点について懸念されてしまうようだ。Arbiomによると、森林破壊の主な原因は建設資材、燃料、農業用伐採地のために起こされたので、SylProは木材加工と製紙業界などの余剰材料からリサイクルで原料を得て、生態環境に負担をかけずに代替タンパク質を生産していると説明した。

昨年欧州連合によって開始されたNext-Gen Proteinsという四年間のプロジェクトは、焼き菓子、スポーツ栄養、3Dプリント食品などに使われる代替タンパク質源をテストと比較、分析を目指しており、SylProも主要対象として扱われているようだ。将来的には、木材ミートはプラントベースのハンバーグ以外の種類になる可能性があると予想される。皆さん、木を食べてみるのはいかがでしょうか?

Next-Gen Proteinsプロジェクトのターゲットブランド

参考URL:https://arbiom.com/arbiom-study-shows-sylpro-protein-ingredient-for-use-in-food-applications/

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