フレキシタリアンとは何か?ベジタリアンから進化した注目の菜食主義

あなたはフレキシタリアンという言葉を知っていますか?

いま世界を席巻する菜食主義。フェイクミートに世界中から熱視線が注がれている背景には、菜食主義の台頭が挙げられます。
菜食主義は、時代にあわせてベジタリアンやビーガンといった進化を遂げてきました。実はフレキシタリアンもその菜食主義から生まれたもののひとつです。
今回は、フェイクミート業界にも大いに関係のあるフレキシタリアンについてご紹介します。

(目次)

1.フレキシタリアンとは何か?
2.ベジタリアン、ビーガンとの違い
3.菜食主義はどのように進化してきているのか
まとめ

1.フレキシタリアンとは何か?

フレキシタリアンとは、野菜や果物といった植物性食品を基本の食事として食べるものの、肉や魚といった動物性食品を食べても良いという柔軟な菜食主義のことを指します。

フレキシタリアンは、英語ではflexitarianと表されます。この言葉は、flexible(フレキシブル・柔軟性) とvegetarian(ベジタリアン・菜食主義)を掛け合わせて生まれた造語です。従来の厳格な菜食主義とは異なり、フレキシタリアンの食生活は細かなルールを特に設けない緩やかなものなので、日本では「ゆるベジタリアン」と紹介されることもあります。
近年の健康や環境問題についての意識が高まりによって、フレキシタリアン人口は世界規模で急速に拡大しています。YouGovの調査によると、イギリス人の約14%がフレキシタリアンであると答えています。これは、ビーガン(1%)やベジタリアン(3%)、ペスカタリアン(3%)といった他の菜食主義の食事をしている人達の合計の2倍にもなる数です。

2.ベジタリアン、ビーガンとの違い

それでは菜食主義として有名なベジタリアンやビーガンとフレキシタリアンとの違いは何でしょうか。

ベジタリアンは、肉や魚を食べず、植物性食品のみを食べる菜食主義のことを指します。ビーガンとは、肉や魚以外にも卵・牛乳・蜂蜜といった動物に由来する食品もすべて食べることを禁じている菜食主義です。その点で、ビーガンはベジタリアンよりもさらに厳格な菜食主義であると言えます。このように従来の菜食主義ではルールがあり、一度ベジタリアンやビーガンの生活を始めたらその後も徹底した菜食主義を続けることが求められていました。

一方で、フレキシタリアンでは厳密な規定がありません。基本的な原則としては、なるべく意識して植物性食品を摂り、動物性食品を摂らないようにするという考えがあるのみです。その緩さゆえフレキシタリアンは、準菜食主義とも呼ばれます。毎日の生活の中に無理なく菜食主義を取り入れることができることから人気を博しています。

実践的なフレキシタリアンの食生活の代表例として、ミートフリーマンデーが挙げられます。
ミートフリーマンデーとは、毎週月曜日はお肉を食べない日にしようというキャンペーンのことで、世界40カ国以上で実施されています。国によって取り入れ方法や実施方法は様々ですが、例えば、アメリカではニューヨークすべての公立の学校給食が月曜日はお肉なしのベジタリアン給食になるなどの大きな運動になっています。

1週間のうち1日というと一見大したことがなさそうですが、単純計算でも1週間のうち約14%の動物性食品の消費が減り、その分の植物性食品の消費が増えることになります。公共教育機関など実践規模が大きくなると、より影響力の強い運動となるので決して小さい数値ではありません。フレキシタリアンを実践している人数はこのような活動によっても広がっています。

Vegetables on the kitchen table

3.菜食主義はどのように進化してきているのか

一般的に現代の菜食主義は、直接的な殺生の行われる肉や魚食を断つことを目的としたベジタリアンが主流でした。

次第に、動物を使役して生まれる動物性製品も動物愛護の観点から反対するビーガンという考え方が生まれました。また、健康や環境問題への意識の高まりからこれらのライフスタイルが広く認知されるようになっていきました。
しかしながら、様々な動機から動物性食品を減らしたいと思い菜食主義生活に挑戦してみたものの長続きせずに挫折してしまった人達も少なからず存在してきました。

今まで慣れ親しんできた肉や魚食をいきなり完全に断ったり、卵や牛乳といった動物由来の食品をすべて排除したりするのは現実的になかなか難しいものです。いくら街中に植物性食品が増えてきたとはいっても、外食ですべての原材料まで吟味しなければならないのは大仕事であることに変わりはありません。
かつての味が恋しくなることもあるかもしれません。そうした際に、フレキシタリアンは柔軟に対応できるので、自身の思想とライフスタイルのバランスが調和しやすい菜食主義であると言えるでしょう。

このような流れを踏まえると、現代における菜食主義とはベジタリアン→ビーガン→フレキシタリアンという進化を遂げてきていることがわかります。普通の食生活から菜食主義に転向したい人の多くが、無理なく続けられる選択肢としてフレキシタリアンを選ぶのは当然とも言えるかもしれません。

まとめ

フレキシタリアンとは、たまになら肉や魚を食べても良いという緩やかな菜食主義で人気を博しているライフスタイルであるというお話をお伝えしました。

一昔前、菜食主義といったらベジタリアンでした。しかし、いまや菜食主義はベジタリアンだけにとどまらず、ビーガンやフレキシタリアンといった様々なスタイルに進化しています。
食生活は人々の営みとともにあるもの。人々の生活や意識が変われば、食生活も当然影響されます。急速に人口拡大を続けるフレキシタリアンもライフスタイルの変化から生まれた選択肢のうちの1つです。

いま、フェイクミートに世界中で熱視線が注がれているのは、これらの菜食主義の変遷が土台となっていることは間違いないと言えそうです。

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